現在関西では、月一回という高い頻度でスマブラDXの大会が開催されている。こうのとりさん主催の大会・Master Hand(マスハン)である。また、お盆などの長期休暇期間においてはCrazy Hand(クレハン)という、上述のマスハンよりも会場・内容共に規模の大きい大会が開催される。

 初めてCrazy Handの存在を知ったときから、私はこの夏、この大会に絶対に参加しようと心に決めていた。 

 遠征8日目より、いよいよ私たち三人は最終遠征地・大阪に突入する。

 それでは書いていきたいと思う。

  

・8日目(8/13(木))

 計四日に渡り行われた名古屋オフは非常に有意義なものであった。とりわけ、仙台に使い手のいないファルコンやアイクラなどとのキャラクターと対戦できる機会が設けられたのは大きい。アイクラ使いのもっちーさんとは何度も対戦し、一回の掴みから即死が狙えてしまうアイクラに対しては台上から針を使って待つ戦法が有効だと学んだ(対戦はほぼ全敗した)。

 四日目の朝をヤマネコ宅で迎え二時間ほど対戦した後、ヤマネコさんにお別れと感謝の言葉を送り一同は駅へと向かった。

 名古屋を出発した私たちは、前回同様青春18切符を使い大阪へと移動した。名古屋-大阪間の移動は東京-名古屋でのそれに比べ大分負担が小さく、前回のような仲間たちの理性の崩壊は見られず終始穏やかなムードを保ちながら移動することができた。大阪ではウルカビさんは私と二日さんとは別の場所で宿泊することになっていたので、新大阪駅まで一緒に移動し、その後は二手に分かれ各々の宿へと向かった。

 さて、新大阪に到着しウルカビさんと分かれた私たちは、もういくつか電車を乗り継ぎ、S-royal宅の最寄駅へ到着した。駅の出口へ行くと、家主のS-royalさんと、一緒に宿泊することになっていたルドルフさんの二人が出迎えてくれた。

 S-royalさんは現在活動しているDX勢の中ではおそらく最もプレイ歴の長い最古参勢の方である。ルドルフさんは広島から遠征に来ている上位プレイヤーであり、昨年私が大阪に遠征したときにも同じ場所で泊まっていたため今回は実に一年ぶりの再会であった。二人と合流した私と二日さんは早速S-royalさんの家に案内してもらうことに。

 S-royalさんの家は駅から徒歩一分コンビニ徒歩30秒の超優良物件であった。最高の立地だ・・・と思っているとS-royalさんから驚くべき言葉が飛び出した。

   
 「ここ、実は私が住んでる家じゃなくて、遠征者を呼んでスマブラをするためだけに私が借りてる部屋なんだよ」

 

  !!?

   

 衝撃が走った。人を呼んでゲームするためだけの家。私たちが少年時代にしていた妄想が、現実のものとなったのだ。

 S-royalさんの言うとおり、その家にあるのは風呂とトイレと布団とクーラーと椅子とテレビとゲームだけで、泊まってスマブラする以外の物は何一つなかった。まさに夢の秘密基地である。社会人ってすげ~~~~ばくわらと思わずにはいられなかった。

 その後四人で近くのファミレスへ行って夕食を取りに行った。食事をしながらS-royalさんから界隈の昔の話や海外の話など興味深い話をたくさん聞かせていただいた。その後部屋に戻って対戦をした。ルドルフさんは国内上位勢ということでとてつもない力量差を見せ付けられた。が、本人は操作の面で本調子が出せていなかったようで、翌日の大会での動きを危惧していた。二時間くらい対戦した後は翌日の大会に備え、日付が変わらないくらいの時刻に皆で意識高く就寝した。

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                              意識の高い人たち

    
   

・9日目(8/14(水))

 いよいよ関西大会当日の朝を迎えた。

 前日にかなり早い時刻に床に就いたため、7~8時間ほどぐっすり寝ることができた。ルドルフさん曰く睡眠時間によって当日のコンディションは全然違ってきて、真のプレイヤー足る者大会前日はきちんと睡眠時間を確保するべき、とのことであった。

 朝起きてシャワー浴びて軽くアップがてらの対戦をして、準備を整えたところで三人で家を出てクレハン会場へと向かった。

 会場へは電車で1時間弱ほどの距離であった。私はメモを見直したり瞑想したりしていた。これまでの修行の集大成と言える戦いがついに始まる・・・そう思い心を鼓舞していた私だが、ふと隣を見ると、そこには真のガチ勢の姿があった。

         
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                                うっそだろお前

 

 さて会場近くの駅に到着、そこから10分ほど歩き、ついにクレハンの会場へと到着した。大会の存在を知り出場を胸に誓うこと半年。いよいよ待ち望んでいた大会に参加する時がやってきたのだ。

 会場に入ると既にたくさんの参加者が入場しており、設備の設営を行っていた。ほどなくして大体のテレビ台の設営が終わり、運営のこうのとりさん、K.Fさん、蒼天さんによる開会の挨拶が行われた。その後受け付けを済ませ、予め発表されていたトーナメントに従い各々指定されたテレビ台で対戦を始めた。

 私の初戦の相手は名古屋勢の社長さんであった。社長さんとは名古屋オフで何度か対戦しており、正直言って実力は私よりも間違いなく上であると信じて疑わなかった。しかし!一見実力が下の者が上の者を倒す、そんな番狂わせこそが大会における醍醐味であり盛り上がりどころである。俺が台風の目になってやるよ、そんな熱い思いを胸の内に秘めて対戦に望んだら4タテされて終わった。

 想定内の敗北ではあったのでそれほど意気消沈することもなく、敗者側で頑張るンゴ~とトーナメントを確認しに行く私。しかしそこで、とてつもない事実が明らかになった。

 

~悲劇その5~

 私の敗者側一回戦の対戦相手。それは終点シークと台シークのダブルメインプレイヤー・SamurAI氏であった。

 関東大会BGWにおいて、私を予選・本選の両方において2-0で下し、私の精神を崩壊させ鬱病に追い込んだ外道SamurAI。その男が、この関西大会Crazy Handにおいてまたしても私の前に立ちはだかったのだ。

SammurAI「また当たることになりましたねSighさん!よろしくお願いします!」

Sigh「お前を殺す」

 溢れんばかりの闘争心と殺意を押し隠し、互いに健闘を称え合う二人。しかし、コントローラを握った瞬間、私は言いようのない不安と恐怖に襲われた。

 過去二回の試合において一本も取れず敗北を喫した際の情景が瞬時にフラッシュバックし恐怖心が再燃する。氏の挙動一つ一つが灼き付くような毒毒しさを帯び私の心に蛇の如く絡みつく。私は完全にSamurAI氏の発する瘴気に呑まれていたのだ。前々回の記事で述べた通り、私たちは投げ連有りのシークミラーによる対戦を行っていたのだが、私は下投げをした際相手の前変更に対応できずに上手く下投げ連を繋げることができないのである。一方、SamurAI氏は決して投げ連をミスらない。嘘やろってくらいミスらない。このリターン差はあまりにも大きかった。

 こちらは掴めても大リターンは見込めず、相手に掴まれると即死級を覚悟しなければならない。前回の大会での二度の試合内容が私の脳内を走馬灯のように駆け巡った。俺はここで死ぬのか・・・。

 

 その時、一つの光明が差した。

 掴みのリターン差、立ち回りの優劣、台シーク。私は気付いてしまった。

 そう、対アイクラである。

  
 試合が始まる、そのほんの直前になって、私は対SamurAI氏の台シークは名古屋オフで学んだ対アイクラと同様の作業と思って対処すれば良いことに気付いた。台上から針を投げ、相手の掴みをひたすら拒否するというものである。互いに投げ連が解禁されているにも関わらず全く掴みに来ない私に動揺し、思わず「あれ、これ投げ連有りですよね?!」と確認するSamurAI氏。流れ変わったな。

 そうして私は徹底した拒否を繰り返し、2-1で見事SamurAI氏を下すことになった。遂に、遂にリベンジを果たしたのだ!

 負けた瞬間に「台シークはクソ!台シークはクソ!」と発狂しもがき苦しみ始めるSamurAI氏。私の顔に笑顔が戻った。

 この遠征で植えつけられた最大のトラウマを、ようやく払拭することができたのだ。

 こうして見事リベンジを達成した私は、ご機嫌ハッピールンルンルンで続く敗者側二回戦の相手を確認しに行った。トーナメントの関係上、次の試合に勝つことができれば、サブトーナメント範囲より上の順位、BGWでいうところのAクラス入りの順位に到達できるのだ。さて、次の対戦相手は・・・・?

敗者側3回戦:VS SF(シルバニアファミリー)

 
 

・・・

 

 

なんでやねん!!

 
 

 BGW敗者側三回戦で私をBクラスに叩き込み精神を崩壊させたことで知られるSFさんが、再び私の前に立ちはだかった。なんでこんなに同じ人とばっか当たんの・・・そう思わずにはいられなかったが、4日間名古屋で対ファルコンの経験を積んだ今の自分ならきっと勝機はあるはず!と自らを震わせ、対戦に望んだ。SamurAIさんと同じくリベンジを決めてやろう。

 結果・・・私はBGW同様0-2で敗北を喫することとなった。前回よりは内容はよくなった気はするものの、やはりSFさんの方が実力は一枚も二枚も上手であった。途中1ストリードされてる状況で、私はてっきり同ストックだと勘違いしていて、相手を撃墜させた瞬間ストックリードや!と思ったらその時点でようやくストックが並んだ状況だったということに気付き、そこからモチベ下がってそのまま勢いで負けてしまった。

 こうしてまたもやSFさんによってBクラス(サブトーナメント)に落とされてしまった。

 落ち込んでてもしゃーないのでせっせと相手を確認しにいく。

 サブトーナメント初戦の相手は関東のピーチ使いポジトマさんであった。

 ポジトマさんはBGWで一緒にフリーのチーム戦をしていたのだが、タイマンでは殆どやっていなかった。

 対ピーチはまあまあやる機会はあったし、まあいけるっしょ!っと無駄に自信を持って対戦に望んだがなんか普通に負けて俺の夏は終わった。

 

 

 

 自分の試合が終わった後はそのへんの人とフリーしたりボーっとしたりしてた。二日さんは二回戦で最上位勢として知られる名無し(PL)さんを破るという快挙を見せながら勝者側でソバメシさんに、敗者側で社長さんにともに1-2で破れbest17でフィニッシュ。ウルカビさんは勝者側ながいもさん、敗者側s-royalさんに破れサブトーナメント行き、サブトーナメントでプラタさんに負けて終了した。また、仙台勢のファルコ使いであるでる君も今大会に参加しており、くにさん、ゆたろさん、仮名さんなどに勝利しbest17にランクインした。

 また、今大会ではチーム戦も並行して行われた。私は名古屋勢のねぐさんとチームを組み(チーム名:Sigh VS ねぐ)、一回戦は突破できたが続く二回戦でShippu + shutaチームというインチキチームにぼこぼこにされて終了した。

 そのうちぼちぼち試合は消化されていき、サブイベント決勝、本選トーナメントbest6以上とチームbest4以上が確定したプレイヤーを残すのみとなった。これ以降の試合は大会ニ日目に行われることになる。一日目はこれにて終了となった。

 自分の試合が終わってしまったとなると途端に気が抜けてしまい、二日さんと二人して明日行くのめんどくさくなってきたねなどと言っていた。夜はガストで二日さんウルカビさんSamurAIさんという際どい面子でガストで夕食を取り、そのまま全員を引き連れてS-royalさんのスマブラ部屋に戻り就寝した。

 

・9日目(8/14(金))

 大会2日目である。

 長いようで短かった遠征も、この日をもって実質終了となる。

 試合を全て消化してしまった私たちは気の抜けた顔をしながらダラダラと準備をし、てきとーに対戦した後に会場へと向かった。

 会場へ移動する電車の中では既にメンバー間にお疲れムードが漂っていた。私はこれまでの旅を思い返していた。そうしているうちに会場に着き、午後まではフリーをし午後からは残りの試合の観戦が始まった。

 まず行われたのはサブイベント(Bクラス)トーナメントの決勝戦、WTS(フォックス)VS かるね(シーク/ゼルダ)の試合であった。

 WTSさんは九州最強と呼び声高いフォックス使い。普段はたけさんという名前で活動しているようだが今大会ではWTSという名前でエントリーしていた。多分ウェイチンポソイヤの略か何かだと思う。一日目のときに少しだけ話をしたのだが、なんとWTSさんは私のファンらしい(俺の方がスマブラよえーのに)。遂に自分にもファンができたか・・・と思うと今までの活動が誇らしく思えてならない。

 一方かるねさんは関西の上位シーク/ゼルダ使いとして有名な方である。ゼルダというキャラをメイン級に使えるのはおそらくこの人しかいないのでは、と思う。

 試合は両者が対面に座り、互いの別のブラウン管に同じ映像が出力されるというものだった。両対戦者と観客への三方向へテレビが設置されていた。

 一戦目はかるねさんがシークのみを使いWTSさんを下した。ゼルダの噂を聞いていたため少し残念に思っていたのだが、続く二戦目ではなんと試合途中からゼルダに変身して戦い出し会場を沸かしていたがゼルダは弱いのでWTSさんの勝利。ラストの三戦目ではゼルダとシークを代わる代わる使い分け、最終的にはヴォーショットをフォックスを華麗にブチ込み見事かるねさんが勝利を収めた。優勝おめでとうございます。

 続いてはチーム戦の上位試合が行われた。私は普段チーム戦は見ることもやることも少ないため、どういう風に見ればいいかよく分かっていないのだがその場のノリに便乗してテキトーに盛り上がりながら観戦した。優勝したのはshuta + Shippuチーム。優勝おめでとうございます!

 そしていよいよ本選トーナメント上位戦が始まった。勝者側に残っているのはShippu、VGBC|aMSa、敗者側にいるのはソバメシ、こうのとり、蒼天、ルドルフ(敬称略)となっていた。

 最初に行われたのはルドルフさん VS 蒼天さんの試合。2人とも複数のキャラを扱えるプレイヤーということでキャラの被せあいが発生したのだが、結果はルドルフさんのマルスに有利キャラであるシークを被せた蒼天さんの勝利となった。

 続いて行われたのはソバメシさん VS こうのとりさん。フォックス単キャラ使いで知られるソバメシさんであったが、一本目の試合を取られた後になんとマルスを選択。なんだなんだと思って見てたら普通に負けててこうのとりさんの勝利。

 その後のこうのとりさん VS 蒼天さんの試合は激戦の末こうのとりさんの勝利。

 そしてついに勝者側決勝戦、VGBC | aMSaさん VS Shippuさん の試合が始まった。

 aMSaさんはご存知世界大会でも活躍しているヨッシー使いのプロスマブラー。対してShippuさんは一週間前のBGWで優勝をおさめている関東のトッププレイヤーの一人である。白熱した勝負の末、勝者側決勝の勝者はShippuさんとなった。

 よって、敗者側決勝戦はVGBC | aMSaさん VS こうのとりさんという組み合わせになった。この辺りで会場の貸し出し時間が過ぎてしまったとかなんとかで一旦大会は中断され、一同は機材を片付け別の部屋へ移動した。場所を改めたところで、次なる試合、敗者側決勝戦が始まった。

  全一ヨッシーであるaMSaさんの動きはもはやスマ勢にはおなじみであり、相も変わらず非常に完成度の高い動きと超重量級の火力で見るものを圧倒させた。一方こうのとりさんは国内において常にトップに君臨する遊撃の使い手であり、安定したプレイでaMSaヨッシーに対応し続けた。そして勝負はBO5の2-2までもつれこみ、最後の5本目の試合、ポケモンスタジアムで波乱は起きた。ラストストック100%超えでどうみても死ぬ気満々のヨッシーが、ラストストック0%の超健康優良こうのとりフォックス相手に爆発的な火力を取り撃墜をもぎ取ったのだ。スマブラDXはコンボにより一気に形勢が逆転することがあると言われつつぶっちゃけ別にそんなことはあんまないので、これには会場も大盛り上がりであった。こうして敗者側トーナメントはVGBC | aMSaさんが制し、いよいよ残す試合は最終決戦のみとなった。

 最終決戦、VGBC | aMSa VS Shippu の試合である。

 数々の世界大会で結果を残し世界にその名を轟かせるプロゲーマーVGBC | aMSa。関東大会を制し、関東最強の一角を担うShippu。二人の試合はまさに国内最強決定戦と呼ぶにふさわしい戦いであった。白熱した試合により会場のボルテージは最高峰となった。白熱した勝負の末、結果はShippuさんの勝利に終わった。こうして第一回Crazy Handの優勝者はBGWに引き続き関東勢のShippuさんとなった。Shippuさん、優勝おめでとうございます!

 全ての試合が終了した後は会場が閉められるまで各自フリー対戦をしていた。私はゆたろさんやネトデラ勢のゼムクリップさん、全一ガノンで知られるLokiさんなどと対戦をした。やがて閉会の時刻となり、参加者の皆で機材を片付け会場を後にした。

 機材を皆で手分けして倉庫に運搬した一同は、各々のオフ会場やら飯屋やらへと向かっていった。私は二日さんが突然酒を浴びるように飲んだくりたいと言い出したのでその場にいたテキトーな面子で飲みに行くことにした。

 このときいたのはSigh二日未満ウルカビぷりゆたろの5人であった。私たちは大会の余韻に浸りながらスマブラのことやらしょうもないことやらを語らいながら目一杯飲み食いを楽しんだ。その後ゆたろさんはそのまま夜行バスヘ乗り茨城へと帰っていき、ぷりさんとは駅で別れた。残りのS-royal宅勢たちはブザマに終電を逃してしまったためタクシーを捕まえS-royal宅まで戻った。

 到着早々布団にぶっ倒れた二日さんを横目に酔っ払った私とウルカビは戯れに26キャラマッチを始めた。すっかり酔って気持ちよくなっていた私はいつにも増してウルカビ少年を煽り続けていた。20XX機能で着キャンミスして全身が赤く点滅するウルカビに対し「燃えたぎる炎のようだ」「おっ界王拳か?強そうだな」などと言いたい放題言ったり、私のクッパに敗れたウルカビマルスに対し「それ強キャラじゃ・・・?あれ、でもこっちのクッパって弱キャラ・・・?はて・・・」などと言って煽っていた。そのうちウルカビはマジギレし途中でスマブラを辞めて気絶したため私も暇になって寝た。

   

・10日目(8/15(土))

 朝起きると既にS-royalさんが部屋に来ていた。私たちは順にシャワーを浴びてテキトーにフリーをした。

 個別に帰りの飛行機の予約を取っていたウルカビさんは一足早くS-royal宅を後にした(アホすぎて飛行機に乗り損ねたため結局新幹線で帰ったらしい)。私と二日さんはもう何戦かフリーをした後にお昼前にはS-royal宅を出発した。S-royalさん、3日間ありがとうございました。

 大阪を出た私たちは、まっすぐ東へ帰ると見せかけて神戸へと向かっていった。目的は一つ、前々から一部のスマ勢間で話題となっている、神戸のインドカレー店・ナワジョティを食べに行くことであった。

 ナワジョティはTwitterでの奇怪な挙動などで知られ、またそのナン・カレーは非常に美味であると聞いていたため、関西遠征の際には是非寄って行こうと密かに目論んでいた。神戸まで電車で一時間弱ほどで移動し、駅前からわずかばかり歩いた所にナワジョティはあった。いただきます。

          
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                               どう見ても美味い
 

 噂に違わぬ味であり私も二日さんも大満足であった。食事後は駅近くをうろうろしてみたが特に面白いものも見当たらなかったのでさっさと戻ることにした。

 神戸-大阪間の電車はこれまでの移動に比べて乗客も少なく、また窓からは綺麗な海景色を眺めることもできたためリラックスして移動することができた。戦いが終わったことで一気に戦意が喪失され気が抜けきってしまった私。二日さんも相当疲れきった様子であり私たちは終始無言の時を共有した。私は窓の外を眺めながらこれまでの旅で出会った人々や出来事にただただ思いを馳せ、旅という名の非日常の終りにどこか物寂しさを覚えていた。対面の二日さんも、きっと同じ心持であっただろう。窓の外には大きな海が広がっていた。

 
 
 再び大阪に着いた私たち。10日以上もの間行動を共にした二日未満さんとも、遂に別れのときがやってきた。二日さんはこの後飛行機に乗り北海道まで直帰し、私はアドリブで仙台まで帰る。今後も共に高みを目指し合いながら切磋琢磨することを誓い、私たちは新大阪駅にて背を向け合った。

     
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                                   お別れ

 
 
 この後私は無駄に東京近辺をブラブラしてネカフェに寝泊りしたり帰り道うっかり山形まで行ってしまったりしたのだがとりたてて語るようなことでもないので割愛させていただく。

 
 
 
 
 
 -旅の終りに-

 良い旅であったと、皆口を揃えてそう言う。

 要した時間は十日ばかりであるが、私にとってはちょっとした大冒険である。

 直接の目的であった大会に関して。数々の知識や技術を習得できた、楽しい旅だった、とは言うものの、大会の結果という点で見たとき、この遠征は百点満点の満足なものだとは言えなくなってくる。楽しかったから良い旅だった、の一言だけで締めてしまうのはスマブラガチ勢として名折れであるとすら考えられる。前々記事でのまとめと矛盾するように見えるかもしれないが、結果という事項は達成度の尺度として強く機能しており、大会に出場するという以上自身の満足のいく結果を出すことを実現して初めて百点満点完全燃焼だと胸を張って言い切れるのだという考えが私の中にはある。そのことを踏まえ、次回の遠征の際には結果という点においても満足の行く領域に到達させ、今回の遠征は百点満点であったと声を大にして言える、そんな遠征をしたい。

 
 でもまあなんだかんだ、やっぱり楽しい旅だったね、というのが、今になって心の中に真っ先に思い浮かぶ言葉であったりする。

 
と言ったところで今回の冒険を総括したいと思う。

 

 さてこの旅をするに当たり、様々な面で支援していただいた皆様各位に感謝願いたい。

 まず、私たち3人に寝床を提供しオフ対戦会を開いてくださった各地方の方々に感謝の言葉を送る。えっさん、エスカさん、かきぴーさん、ヤマネコさん、サハラさん、S-royalさん、本当にお世話になりました、ありがとうございます。皆様いつか仙台に来られる機会があれば、是非私の家へ。

 そして、関東、関西にて大会を主催してくださったスタッフの方々に。BGWスタッフのRaさん、VGBC | aMSaさん、すーきさん、プラタさん、Masterhandスタッフのこうのとりさん、K.Fさん、蒼天さん、また今回賞金を用意することで大会の盛り上がりに一役買っていただいたこまどりさんとめがねさん、その他大会運営に協力し尽力していただいた全てのプレイヤーの皆様方。どうもありがとうございました。

 また、普段から対戦を積み重ね、現在の私の実力を育んでくれた、仙台スマブラDX勢の皆にも大きく感謝をしたい。皆本当にありがとう。

 最後に、旅をともにし、最高の思い出を作り上げてくれた、ウルカビさん、二日未満さんの両者に、一際大きな感謝の意を伝えたい。二人とも、本当にどうもありがとう。

 

 
 
 
 
 
 この文章を読んで、地方から都市部の大規模大会に遠征することの楽しさや勝負の厳しさ、スマブラDXの面白さが伝われば幸いであるなあと思いながら記事を書かせていただきました。私は五年後や十年後にもこのゲームをやり続けてる自信はあまりありませんが、仲間たちと作った思い出や強くなるために努力した熱い日々は何年先にも忘れることはないと思っています。もしこの記事を読んで大会や遠征やスマブラに興味を持たれた方がおりましたら、是非、一歩足を踏み出してみてはどうでしょうか。

 長くなりましたが、ここらで筆を置かせていただきます。

 ご清覧どうもありがとうございました。
 
 
 

 
 また。=)

 

   
 
 

 

         おまけ:東北・北海道勢3人組夏のスマブラDXの旅 ぼくらのウォーゲーム!テーマ曲

     

 
元記事はこちら:http://sigh1.hatenablog.com/entry/2015/09/07/094055