はじめに

『大乱闘スマッシュブラザーズDXにおける合理的判断能力』の研鑽方法を2段階に分けて紹介します。
小難しい理論をツラツラ書いてもわかりにくいので、このゲームで重要な要素である、『速度』を主軸として文章を展開していきます。
一通りゲームの知識を身につけたが全く勝てない初心者の方や、大会で相手と差を付けられずに順位が安定しないせず、伸び悩みを感じている人向けです。

なぜ判断能力を鍛える必要があるのか

まず、初心者の方が行動を選択するのに時間が掛かるのは、『何をやっていいのか分からない』ということが原因であると思われます。
何をやっていいのかわからないということは、自分が何をやっているのかを認識できていないことに等しいです。
そのような状態では上達は全く望めません。

また、いくらそれが早くなってきたとしても、『誤った固定観念に支配されている』状態に陥ってしまうと、以降の成長が望めなくなってしまいます。
こうなってしまうと、単に技術面の差で負けていることを、身体能力の差、キャラ性能の差で負けていると誤解してしまいます。
最悪の場合、伸び代があるのにも関わらず、自分の成長の限界を決めつけてしまいます

そのような事態を改善するために、『合理的判断の仕方』『判断基準の適切な作り方』が必要とされるのです。

第一段階

攻撃と防御の2極化する

自キャラを理解するうえで重要な段階です。
このゲームの勝利条件は4ストックを守る、ではなく、奪うことにあるので、基本的には『攻撃』を中心に考えていきます。
それも中途半端な攻撃ではなく、『相手のストックを奪うことを目標とした攻撃』です。

ここでは、最も攻撃的な選択肢を考えます。
また、どうしても攻めたくないと感じる状況については、『完全に防御に徹する』選択肢を考えます。
現段階では中間となるような選択肢を考える必要ありません。

イメージにしくいと思うので、少し砕いて説明します。
攻撃に関しては『この技を当てれば大きなリターンが期待できる』というようなものばかりを考えてください。
その際に、『空振ったらどうしよう』、『相手に~されたら負けてしまう』などの要素は深く考えず、攻撃面のメリットだけを追求しましょう。
また、防御に関しては、『逃げるついでに相手を攻撃しよう』などとは一切考えず、『どうやれば完璧に防御に徹することができるか』というものを考えてください。

行動選択の前に『攻撃』か『防御』かをはっきりさせる

重要な局面で技の選択が遅れてしまうということの原因は、判断の手順ミスによるものがほとんどです。

これは、『選択する行動の候補がいくつか考えられているのに、攻撃するか防御に徹するかの判断が出来ていない』という、思考のループが起こっているからです。

これを防ぐためには、状況が与えられる以前の段階で、『攻撃』するか、『防御』に徹するかを予め決定している必要があります。

例えば、相手の攻撃の先端をガードしたとします。
ここで攻撃に徹するのであれば、相手の次の行動を予測して最大リターンを狙うと仮定します。
また、防御に徹するのであれば、反撃はこの際考えず、回避、ジャンプ、GC絶空などで相手と距離をとると仮定します。

ここで、ガードをした後に画面を見ながら攻撃か防御かを選択するのは誤った判断手順です。
このような判断手順を用いてしまうと、よほど反応速度の早いプレイヤーでない限り、技の選択がどうしても遅れてしまうのは目に見えています。

この場合の正しい判断手順というのは、相手の攻撃に対してガードを選択したのは『攻撃のためか、防御のためか』ということをはっきりさせ、『攻撃または防御の判断を下す』というものです。

このように、行動の根本に何らかの思考があり、その思考に則って技の選択をすることが、『正しい判断の手順』です。

第二段階

選択肢を増やす

第一段階で攻撃と防御の2極化を徹底しているうちに、自分の都合に限定された行動選択に物足りなさを感じてくるはずです。
それは間違いなく、第二段階に進めるという兆候です。

さて、ここで極端な攻撃と防御の間に、『防御しながら攻撃する(ストックを奪うゲームなので、あくまで攻め主軸で!)』という中間の選択肢を増やして行きましょう。

例えば、
相手の攻撃をガードした時に、横回避をすればほぼ完全に撤退できるが、GC絶空で距離を取ることによって一部の相手の行動に対して反撃を狙う
といった選択肢がこれにあたります。

この際、注意しなくてはならないのは、『攻撃するつもりはないが、防御するつもりもない』といった中途半端な判断のもとで、このような中間選択をしないことです。
行動には『攻撃と防御の2極化』が存在し、そのなかで状況によって『防御しながら攻撃する』という中間の判断を下す、という手順を忘れないでください。

しっかりと第一段階ができれば、その中間の選択肢は数多くイメージ出来るはずです。

扱う情報を増やす

考えた選択肢をさらに適切な判断のもとで使いこなすために、扱う情報を増やしましょう。
大雑把に言えば、キャラ対策を練ろう、ということです。

ステージ
技相性
行動相性
%ごとの選択肢のリスクリターンの変化
ストック状況

などなど、『目に見える範囲の情報』をきっちり把握できるようになりましょう。

よく初心者の方がキャラ対策を聞いても実践できないのは、第一段階を飛ばしていきなりこの第二段階に進んでいるからです。

例えば、このキャラ相手にはこの技が機能するから使いましょう、というアドバイスを受けたとします。
しかし、その行動の根底にあるのが『攻撃』なのか『防御』なのか、はたまた、その中間にあたる選択肢であるのか…
段階を飛ばしているため、これらをしっかり把握出来ていないので、適切な状況、適切な速度でその選択肢を引き出すことが出来ないのです。